小児歯科では、虫歯や怪我の治療、歯並びの治療など様々なことを扱っていますが、最も大事なのは定期検診であると考えます。
その理由は・・・
子供の歯は大人とは異なり、虫歯になるとアッという間に神経にまで達してしまいます。親御さんが穴に気付いた時には、すでに神経の治療が必要な状態であることは珍しくありません。
また子供は痛みに鈍感です。お子様が痛がらなくても、根に膿を持つような虫歯があることもありますので注意が必要です。
虫歯や怪我の治療、歯並びの治療も、お子様の場合は治療後の変化も急激です。また必ず歯の生え変わりの時期を迎えます。永久歯に順調に生え変わるまでしっかりと管理していきましょう。
虫歯になる原因は、食事や飲み物の摂り方や、歯磨きの状況など様々です。一度虫歯になったということは、その生活習慣を変えない限り、歯がある限りはまた虫歯ができてしまうということです。そのような状態で永久歯が生えてきたらすぐに虫歯になってしまいます。
毎回の定期健診で、その時々のポイントを押さえた歯磨き指導や食事指導が大切です。
また歯科医院でクリーニングを受けることで、お家では除去できない汚れを取り除くことが出来ますので、そのことだけでも大変効果があるといえます。
お忙しい親御さんにとって定期検診にお子様を連れてくるのは大変なことだと思います。しかし、小児期に得たお口の中への関心や習慣は、その後のお口の状態を、一生左右すると言っても過言ではありません。是非定期的な受診をお勧め致します。
感染症対策には、次の3つの方法が効果的です。
2.感染経路の遮断(子供に虫歯菌が移るのを防ぐ)
3.抵抗力の強化(虫歯菌から子供を守る工夫をする)
周囲の大人とのスキンシップを通してお子様は虫歯になります。
なかでも、お子様との接触時間が長いお母さんからお子様に虫歯菌が移るケースが最も多いと言われています。
虫歯から大切なお子様を守るためには、まずはお母さんのお口の中を清潔に保つことが大切といえます。
お口の中を清潔に保つためには、食後の歯磨き習慣に加え、歯科医院で行われている歯のクリーニングを定期的に受けられることをお勧めします。
歯のクリーニングを受けられることで、毎日の歯磨きだけでは落とすことができない汚れを除去することが可能です。
育児に追われて歯のケアを怠りがちになると、お母さんの口腔内には大量の虫歯菌が増殖してしまいます。この時期に「お母さんが口をつけたスプーンで離乳食をあげる、お母さんが小さく噛みちぎった食べ物を与える、お子様にキスをする」などで、虫歯菌がお子様に感染してしまいます。
そこで、感染源の除去が大切になってきます。極論を言えば、上記のようなスキンシップを一切行わなければ感染経路を遮断でき、お子様が虫歯になる可能性を抑えることができます。しかし、このようなスキンシップはお子様への愛情表現として非常に大切な行為だと思われます。
そのためにお母さんのお口の中を清潔に保つことが大切になるのです。その他にもキシリトールの摂取なども効果があると言われています。キシリトールは、虫歯の原因となる「悪玉ミュータンス菌」を「善玉ミュータンス菌」に置き換える効果があるため、お子様とのスキンシップで虫歯の原因となる悪玉ミュータンス菌がお子様に移るのを避けることができます。
大人の場合、歯質が成長とともに丈夫になっているためすぐに虫歯が進行することはありません。しかし、子供は免疫力が低く、かつ、歯質もまだまだ弱いため、虫歯が一気に進行し、黒くボロボロの歯になってしまいます。
このようなことを防ぐため、歯科医院では抵抗力の強化として、次のことを行っています。
虫歯になりやすい歯の溝を埋めるシーラント
虫歯予防効果のあるフッ素塗布
子供が歯磨き好きになるように指導します。
虫歯が多発する部位は、下記の3ヶ所です。
(2) 歯と歯茎の境目
(3) 歯の溝
TBI(歯磨き指導)では、(1)と(2)から発生する虫歯を防ぐための効果的なブラッシング法を楽しみながら指導していきます。
上記(3)の歯の溝は複雑で、ブラッシングだけでは汚れを完全に取り除くことは難しく、虫歯になってしまう事が多い部位です。
この溝を埋めることで汚れが溜まらないようにする虫歯予防法がシーラント填塞です。乳歯から永久歯に生え替わったタイミングで治療すると効果的です。
なお、使用するのは虫歯治療の際に詰め物として使う「レジン」という素材なのでご安心ください。
「フッ素」とは、歯質を強化する性質を持った物質です。
乳歯や生え替わったばかりの永久歯は非常に弱いのですが、定期的なフッ素塗布によって大人の歯と同等の強度にすることができます。虫歯菌に負けない強い歯を作りましょう!